展示会自慢 環境展篇②
第一のテーマは、アスベストの適正処理をサポートです。
令和2年にアスベスト関連の法律(大気汚染法と石綿障害予防規則)の大きな改正がありました。
一番大きな改正点は、従来“非飛散性”とされ、法律の規制外に置かれていたアスベストレベル3も、処理方法(割ったり砕いたりすると)によっては飛散する恐れがあるとして、法律上の規制対象になったことです。
アスベストレベル3が含まれている建材の代表はスレート板です。
アスベストレベル1、2、3の種類は次の画像が分かりやすいです。
このグラフで分かるように、アスベスト含有物の大半(96.5%)がレベル3となっています。
これは法律改正後に我が社で作成したチラシです。
スレート板のような長尺物は、そのままの長さでは通常のフレコンバッグでは梱包できません。
実際の所、大半の業者さんは、割ってからフレコンバッグに入れていたとのことです。
恐らくかなりのアスベストが飛散していたのではないかと心配です。
直接作業をされていた方だけでなく、作業服を洗濯していたご家族の方にも悪影響があったのではないでしょうか?
これは、政府のアスベスト規制と我が社の対応を一覧にした年表です。
法律が改正されるはるか以前、平成18年に、ある企業から「スレート板を割らずに梱包できるフレコンを開発して欲しい」という依頼を受けました。
そこで開発したのがロングタイプです。
一番工夫したのがベルト構造です。
横に長くなるので、クレーンで吊った時に左右がぐらぐらしてしまいます。
いわゆる“踊る”状態になりとても危険です。
ロングタイプは、本体とベルトを一体にし、四方からギュッと固定するので吊上げ時に安定します。安全性バツグンです。
この構造の独自性を認められて特許を取得しました。
このロングタイプは売上げ開始から毎年売上を伸ばしていきました。
令和5年4月末で累計で22万袋を販売しています。
この袋数は、1300万㎡に相当するアスベスト含有建材の処分に役立てたということになります。
令和2年の法律改正の翌年3月に厚生労働省と環境省から取り扱いマニュアルが公開されました。
その中で、レベル3の石綿含有建材は、
「切断等することなくそのまま取り外すこと」
「切断等以外の方法で除去しなければならない」
とされました。
つまり長いまま割らずに除去してそのまま梱包し、そのまま最終処分場まで運びなさいということになりました。
これはあくまでも原則で、ムリな場合は湿潤化してから、つまり飛散を防ぐために濡らしながら割なさいということも認められていますが、現場はかなり水浸しになってしまうのではないでしょうか?
マニュアルでは、割らずに梱包できるフレコンバッグとして、ロングタイプが写真付きで紹介されています。
最終処分場によっては、スレート板等はまずシートで包み(一重梱包)それをフレコンバッグに梱包しなさい(二重梱包)と指導している所もありますが、当社調べでは全体の85%ほどの処分場は一重梱包でOKです。
ロングタイプは一重梱包用ですので、ほとんどの処分場でそのまま受け入れてくれますが、中には二重梱包を指示される処分場がありますので、「よくお確かめください」とお伝えしています。
このシートやその他ガラ入れ用の通常のフレコンバッグや石綿表示のラベルなども販売しています。
下のカタログをよく見ておいて下さい。
さて最後に、今後、アスベストが含まれる建物等の解体工事は増えるのでしょうか?減っていくのでしょうか?
政府の試算では、2028年(令和10年)がピークで、それまでどんどん増えていき、2060年頃になってようやく処分が終わりそうです。
先の長い話ですね。
もじゃ2号さん、分かりましたか?
展示会でもちゃんと説明出来そうですか?